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さらに7年後 古川禎久分科員の質問 [動物病院]

第159回国会-衆-予算委員会第四分科会-2号 平成16年03月02日

○古川(禎)分科員 ありがとうございます。協議会で検討が進められておるということも聞いておりますし、また、長年にわたりまして関係の方々の努力が続いておるということにつきまして、敬意を表したいと思います。
 しかしながら、私なりに、現在の我が国の獣医学の状況というものを、諸外国の例と比較しながら自分でちょっと勉強をしてみました。その際、大きく言いまして二点ほど、浮き彫りになった問題点があったと考えております。
 まず一点目は、実務教育につきまして、我が国の場合、不十分ではないかというようなことでございます。
 欧米の獣医学の修業年限はおおむね六年から七年、そのうち専門教育が四、五年、さらにそのうちの二、三年は動物病院や牧場あるいは獣医公衆衛生の現場での実務教育が主体となって行われておりまして、卒業後直ちに獣医師として役立つ、そのような教育が行われております。また、卒業後の教育としまして、インターン制度やレジデント制度、専門医制度も確立いたしております。
 これに対しまして、我が国の場合はと申しますと、今、副大臣おっしゃいましたように、五十九年に四年から六年に修業年限を延長いたしました。しかしながら、その教育の内容におきましては、十分な質的転換が行われていないように感じております。
 例えますならば、専門教育のうち、その三分の二は講義主体の教育になっておりまして、実習、演習のための時間は約三分の一にすぎない。これに対しまして、欧米の場合は、ちょうどこの比率が逆になっておるということもありまして、比較的、実務の教育訓練が劣っているように思われます。したがいまして、基礎獣医学におきましては欧米にはまさるとも劣らないといえども、臨床または応用獣医学、公衆衛生における教育体制というものは不十分だというような感想を私は受けました。
 さらに、インターン制度、レジデント制度あるいは専門医制度というものが、日本の場合は獣医学教育においては設置されておりませんので、そういう意味での支援体制も不十分ではないかと考えております。我が国におきましても、人を診るお医者さんは、そのような研修医の制度、コースというものがあるわけです。それに比べまして、人以外のすべての分野を扱うところの獣医学におきましては、そのような制度がなされていない、準備されていないということは、やはりその不十分さを物語るものではないかと思うわけです。
 そのような意味で、私は、実習のための施設や設備、あるいは実務経験のある十分な数の教員、あるいは動物飼育等が可能になるような研究環境、そのような環境整備、教育のための環境整備を、もっと重点を置いて整備をすることによって我が国の獣医教育の質的転換を図るべきではないかと考えております。この点につきまして、文部科学省の御見解をお尋ねしたいと思います。

○遠藤政府参考人 御指摘のとおりでございまして、先ほど副大臣の方から、昭和五十九年に四年制から六年制に延長した、これもやはり、御指摘のような臨床的な教育が不足しているということで、年限を延長してそちらをという趣旨であったのか、こうも思っておりますけれども、それまで、御指摘のように、基礎的な獣医学、研究中心ということでやってまいりましたので、どうしてもやはりその傾向がこれまでも続いているというのが一つの我が国の大きな特徴だと思っております。
 その中でも、生理学、病理学などの基礎獣医学、内科学、外科学などの臨床分野、あるいは食品衛生や家畜衛生などの公衆衛生分野など、幅広い領域にわたる知識が獣医学教育に求められている、こういうことで、この中で実践的な臨床教育を行っているということでございまして、具体的に申しますと、大学基準協会で標準カリキュラムというものを最近作成してございますが、そういったものも参考にしながら、各大学では、例えば獣医内科学臨床実習、獣医外科学臨床実習、獣医臨床繁殖学実習、こういった授業科目を設け、さらには、附属の家畜病院あるいは地域の畜産関係施設などを活用して実践的な実習教育を行っている、こう理解しておるわけでございます。
 具体的には、例えばこれは北大の例でございますけれども、臨床実習科目十六単位、時間数にして大体七百二十時間ぐらいやっておる、こういうことも聞いておりますけれども、まだまだ欧米に比べてそういう意味での臨床が少ないというのはそうであろう、こう思っております。
 それから、卒後の研修のお話が出ました。医師、歯科医師の養成では、従来から、卒後の臨床研修、医師の場合二年、歯科医師は一年ということで長くやってまいりまして、最近、これが法制化されまして、この四月から、医師については、二年間の臨床研修が義務化になる、それから、歯科医師についても、厚生労働省の方で法改正をいたしまして、平成十八年の四月から、一年間義務化される、こういう状況であるということを聞いております。
 御指摘のように、獣医師につきましては、こういう卒業した後の臨床研修が組織的にやられているという状況ではございませんで、それぞれの獣医師が、例えば大動物の関係におきましては、近隣の農業共済団体の家畜診療施設等で行うとか、あるいは小動物関係でございますと、個人動物病院等でいわばオン・ザ・ジョブ・トレーニングという形で知識、技術の向上を図っている、これが現状だろう、こう思っております。
 やはり臨床というのをこれからも大事にし、そういった意味での環境整備を図っていく必要があるだろう、こう思っております。

古川禎久分科員:自民党・当選1回・元建設省職員
遠藤純一郎政府参考人:文部科学省高等教育局長

これは農林水産委員会ではなく、予算委員会の分科会、文部科学省についてのの質疑。
小動物では臨床研修を実施せず、開業獣医師の下で、いきなり臨床にあたっている実態が語られている。
また、農林水産省から小動物医療の改善についての相談を持ちかけられた気配も見えない。

「オン・ザ・ジョブ・トレーニング」の最中に犠牲になった動物が数多くいること
適切なカリキュラムに基づかない臨床経験で開業した小動物獣医師の知識や技能にはバラつきがあること
を、彼らは知らないし、管轄外なので何もしない。
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